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籾村の伝説(石田氏著「籾村風土記」より)


伝説は心の故里である。
伝説は過去の所産であるが、しかし伝説は激動する世代の荒波を、いくつも通り抜けて現代の人たちにつながる問題を持ち生々と脈うっている。
籾村の土地に根をおろし、数百年も生き続けた伝説であるが、歴史としてかたく信ずると、そこにいろいろの幣害が生じて釆る。
 文字を知らない故老の炉辺談話から、すこしずつ形は変わってはいると思うが、その伝説の背景にある信仰や、それを継承して来ている村人の生活態度などを考えてみるのは興味深いものがある。
 伝説が生まれ、継承されて来ていることは、其所にそれだけの原因や理由があるからであろう。

狐田と警固場 上籾 上籾今井谷に住んでいた働き者の男と、彼を慕った白狐の悲しい物語。
唐人久保と愛象谷 上籾 朝鮮より来日していた鋳物師と竜山鉱山の史話
弓馬の乢と湯場の乢 中籾 中籾の「にばん乢」の由来の話
手相堂 中籾 江戸時代化成文化期の久世村の百姓多祐が開いた手相堂の由来
座頭池 下籾 地区最大の溜池「座頭池」の難工事を人柱になって成就させた座頭の物語
三頭尾と竜王 下籾 悪魔の使いの怪物「三頭尾」を退治した竜王のご神体瑞雲の伝説。
狸  穴 下籾 古狸を掘ろうとした若物の不思議な物語
勝負田と降矢と野伏尾 別所 戦国時代の壮烈な合戦のなか、野伏尾地区で鶏を飼わなくなった話。

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