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有機無農薬農法の有機とはどういうことをいうのですか? (2003.11.6)
Q こんにちは。今学校で米作りのことを調べています。僕は安全な米作りについて調べることにしました。もむらいすのQ&Aとってもよくわかりました。農作業で忙しいのに質問に答えてくれているのがすごいと思いました。
僕の質問もお願い致します。有機無農薬農法の有機とはどういうことをいうのですか?「有機」=「堆肥」とありましたがもう少しくわしくどういうことをしているのかおしえてください。無農薬農法とはすべて有機無農薬農法なのですか?教えてください。宜しくお願いします。
A 無農薬栽培と有機無農薬栽培はちょっと違う場合があるのでこの辺から整理しましょう。
農薬の使い方で次の3つくらいに分類できると思います。
1 通常の農薬使用
各地域ごとで農業改良普及センターや農協の指導で作成される「栽培基準」というものがあり、一般の農家が、病害虫にかからず、安定して稲を収穫することができる農薬の使用方法です。これが悪いことは決してありません。一般の農家は農薬は農薬取締法という法律に基づいて、農産物に安全な使用基準に従って農薬を使っています。農薬の使用基準は農薬ごとに決まっていて、登録されています。
2 減農薬
減農薬は少し定義があいまいなところのありますが、通常のものより使用量、使用回数を減らした栽培です。農林水産省が示すガイドラインでは「通常の半分」となっています。
3 無農薬
これは、全く農薬を使わない栽培法です。
ただし、一般には、科学的に合成された農薬でないものは使用可能になっています。
たとえば、除虫菊という菊から抽出される除虫菊乳剤(蚊取り線香の成分です)などは使っても一 般的には無農薬になります(ただしこれらは殺虫効果は化学合成農薬に比べて低い)。
次に肥料の使い方でも次の3つくいらいに分類できると思います。
1 通常の施肥
これも、農業改良普及センターや農協の指導で作成されている、一般的な施肥設計(安全に安定した収穫量を得るための肥料の量)「栽培基準」にもとづいて栽培する方法です。
2 減化学肥料
減農薬と同じように、通常のものより化学肥料の使用量を減らした栽培です。農林水産省が示すガイドラインでは「通常の半分」となっています。
3 無化学肥料
これは化学肥料をいっさい使用しない栽培です。
化学肥料とは、化学的に合成た原料または、天然産の原料を化学的に加工して作った肥料です。有機肥料は動植物質を原料とした肥料です。化学肥料は、成分が安定しており、また、必要な時に効果が出る肥料ですが、有機肥料はゆっくりと効果が現れるのが一般的です。この有機肥料と化学肥料の特色を生かして、通常栽培でも、両方の肥料を使って農作物は栽培されています。無化学肥料の栽培では、化学肥料を使わないので、農作物の栽培のコントロールがすこしむずかしくなってきます。
このように、農薬、肥料でおのおの3通りの使い方があり、それらを組み合わせると、9通りの栽培方法になります。
1 通常の農薬−通常の肥料
2 通常の農薬−減化学肥料
3 通常の農薬−無化学肥料
4 減農薬−通常の肥料
5 減農薬−減化学肥料
6 減農薬−無化学肥料
7 無農薬−通常の肥料
8 無農薬−減化学肥料
9 無農薬−無化学肥料
ところで、昔は有機肥料で栽培した農作物は何でも「有機農産物」と呼んでもいい時代もありましたが、今は新しい法律ができて、9の「無農薬−無化学肥料」に限って「有機」という言葉を使っていいということになっています。
従って「有機無農薬」=「無農薬−無化学肥料」=「有機農産物」です。
一方、「無農薬」は「7無農薬−通常の肥料」「8無農薬−減化学肥料」「9無農薬−無化学肥料」であり、必ずしも無農薬=無化学肥料ではないのです。・・・・・・・・すこしややこしい説明になってごめんなさい。これも法律で決まったものなので、・・・とにかく「有機」という言葉がつくと=「無化学肥料・無農薬」と思ってください。
さて、法律はそうなのですが、「有機」=「堆肥」と私は言っていますが、厳密には誤りかもしれあせん。(言葉って難しい〜! ごめんなさい)
有機肥料は先ほど書いたとおり、「有機肥料は動植物質を原料とした肥料」です。たとえば、菜種粕(食用油の原料の菜種のしぼりかす)、鶏糞(にわとりのうんち)、魚粕(イワシの骨など)などです。(これらは堆肥とは少し違います)。堆肥とは、家畜のうんち、草、木の葉、いなわらなどの「有機物」を堆積して、微生物の働きで分解したものです。これは、有機肥料の一種です。有機質肥料の中に堆肥もあるということが正解のようですね。
しかし、さらに難しくなるのが、堆肥を作るときに化学肥料を使うこともあることです。微生物の働きで有機物(炭素を含んだもの)を分解する時には、チッソも必要なのです。このチッソは鶏糞や牛糞、米ぬかのように材料の中に十分あれば良いのですが、不足する場合に化学肥料で補うこともあります。ところが、化学肥料を使ってできた堆肥を使っては「有機栽培」にはなりません。・・・・
私が有機=堆肥と言ったのは、私たちは、堆肥は化学肥料を使わずに、元々私たちの地域にある材料だけから作った堆肥を使っているから、有機=堆肥と言ったわけです。
いずれにせよ、化学肥料を使わない栽培では、土に化学肥料以外の方法で栄養分を補給することが必要です。そのため、土の力をつけることが必要で、そのために堆肥をたくさん使います。しかもそれは化学肥料を使わずに作った堆肥です。そしてそれを補うため、菜種粕のような堆肥ではない有機肥料を使っています。
うまく説明できなかったかもしれませんが。わかりましたか?
さて、ここで大切ことは、「農産物を安定した収量・品質で収穫するためには、栽培基準に沿って栽培することはとても大切なこと」です。世界の人々が餓ることなく、農産物を供給することは農業の使命で、とても大切なことです。そして、化学肥料や農薬は不可欠なものであることです。もし、化学肥料や農薬がなかったら、世界の食糧生産は不足します。すると飢え死にする人がたくさんでたり、戦争が起こるかもしれません。
では、なぜ、私たちは「有機栽培」をするのでしょうか。一つは、より安全な食べ物を作るたため(有機栽培農産物を必要とする人がいるから)もう一つは、私たちの地域は農地の条件が悪く、少ない生産費で農産物を作ることが難しいから、そして地域の自然条件が有機栽培に適しているからです。私たちは、有機栽培を必要とする消費者と私たちの地域自身のため、有機栽培を行っているわけです。
確かに、農薬や化学肥料は100%健康に安全とは言えないかもしれませんが、今の農薬や化学肥料は国の機関がよく研究して安全と判断したものだけを、安全と判断された使い方で使われていれば、限りなく安全だと思います。
とても、長い返事になってしまい、また、わかりにくい点も多かったかもしれませんが、私の返事とさせて頂きます。
よくわからなかったら、またメールをください。
お返事
その後返事をいただきました。私たちへ、さらにやる気と勇気を与えてくれたお返事でしたので、紹介させていただきます。
籾村セーフティーライス倶楽部の岸さんへ
詳しく教えていただき有難うございます。
学校で役立ちます。
こんなにたくさんの文章を書いていただき感激しました。
また、わからないことが出てきたら教えてください。
母です。
詳しくかつ子供にも(母にも)わかりやすいお返事を有難うございます。
昨日、子供と共に課題を調べる中で、貴殿のホームページにたどり着き、子供と共に夢中で拝見しました。時間を忘れて読みました。農業って面白いと興味を抱きました。いろんな工夫をされ、愛情と誇りをもって重労働の農作業にいそしまれていらっしゃる様子に、憧れと感動で一杯になりました。また、その真摯なご姿勢に健介も感じるものがあったようで、メールを拝見するなり、お返事を打っていました。親として有難い経験を子供にさせていただいたこと感謝いたしております。
今回雑草との闘いの労働の大変さは健介には全くわからないようでした。我が家はマンション暮らしで土の庭はなく、マンション周りも普段は業者まかせ、年に2回の2時間ほど形だけの落ち葉拾い、草取りがあるでけです。学校でも草取りは掃除の時間のほんの15分のどしか経験がないのかもしれません。そういえば教頭先生が草刈機で授業中に刈ってくださっていたような・・・こんな生活経験しかないことに、今回気づかされ唖然としました。私の実家は兼業農家で、小学校の頃から、ゴールデンウィークと秋はその手伝いでした。結婚して実家から遠く離れてしまいましたが、たまたま田植え時に帰省でき、サラリーマン家庭に育った主人と共に手伝いました。そのとき、父が「主人には田植えはできないよ。子供のときからやっていないと農作業はできないよ。」とぽつりと言ったんです。なんのことかわからずに支度をして田んぼに入ったのですが、私より圧倒的に体力のある主人が半日で根を上げたのです。
父の言葉はこういうことかとわかりました。子供も頃の体験は本当に大切ですよね。皆さんのホームページを拝見して大事なことに立ち返ることができました。新幹線代高くて、懐は痛いのですが、来年の春は田植え時に子供を連れて帰省しようかと思います。
これからも、お体に気をつけられ、頑張ってください。更なるご活躍をお祈りしてい
ます。
有難うございました。
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