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どれくらいの、農家の人が農薬を使っていないか(2001.6.16)
- Q
- 初めましてこんにちは、福井市明新小学校の5年生です。 今、総合の学習で,「どれくらいの、農家の人が農薬を使っていないか」
調べています。知っていたら教えてください。
- A
- こんにちは、籾村セーフティーライス倶楽部の岸と申します。
- 私たちの倶楽部では、8人で約10haの田んぼでお米を作っています。そのうち、農薬を全く使用しない無農薬栽培は1.5ha位です。8人全員が無農薬栽培に取り組んではいますが、残りの8.5haでは、農薬を使っています。
さて、農薬には3種類あります。1つ目が、害虫を殺す殺虫剤、2つ目が病原菌を殺す殺菌剤、そして3つ目が雑草を除く除草剤です。
私たちが、有機無農薬栽培とか減農薬栽培に取り組んで今年で、8年目になりますが、今までの試行錯誤の中で、殺虫剤と殺菌剤を使わない方法は何とかできるようになり、8.5haでは、除草剤だけ使う方法をとっています。虫や病気を防ぐには、虫や病気にかかりにくい元気な稲を作ること、なるべく田んぼの中に稲がいる期間を短くすることが大切です。従って、比較的生育期間が短くてしかも食味が良い「コシヒカリ」を、通常よりやや遅めに田植えすることにしています。
また、土づくりに力を入れ、肥料を減らし、やや粗植(株間を広く植えて風通しを良くする)にして、肥満にならない稲作りに努めています。
稲の病害虫の中で怖いのは、イモチ病とウンカです。イモチ病は、チッソ(肥料)を減らして軽減されます。また、ウンカ(特にトビイロウンカ)は9月中旬以降に多発するので、それまでに収穫できるように栽培します。
そのことで何とか、病害虫対策はできたのですが、問題は雑草です。通常の栽培法では、除草剤を散布すると、雑草はほとんど生えません。除草剤を散布するのに必要な労力は10a(1000u)で約15分だけです。一方、除草剤を使用しない方法では、アイガモの放飼、菜種粕の利用、米糠の利用、赤浮き草の利用、深水管理、動力除草機の利用、手取り除草などがありますが、どの方法にも一長一短があり、現在、私たちは、菜種粕利用と深水管理、動力除草機、手取り除草の方法を組み合わせています。この方法でも、10aあたり、24時間も時間がかかります。除草剤を使う100倍もの時間が除草作業にかかるわけです。従って、労力的に多くの面積を行うことができません。ですから、15%の面積でしか無農薬が実践できていないわけです。しかも、無農薬では、収穫量も20%位減少します。
その昔、除草剤も殺虫剤も殺菌剤もなかった時代には、日本全国的に米が不足していました。だからあちこちでいくさなんかが起こっていたのです。日本ではじめて、米の自給率が100%を越したのは、今からたった20年くらい前です。米の収穫量が増加して、農家が楽に米作りができるようになったのは、農薬のおかげです。もしも、農薬がなくなったら、また日本ではお米が大変不足することになります。ですから、農薬が全くいけないものとは決して思わないでください。
私たちは無農薬や減農薬に取り組んでいますが、私たちがこんな取り組みをする理由は、私たちの地域は田んぼの条件がとても悪く、普通の田んぼより、とても生産コストがかかること、水がきれいで地域内に有機物があり有機栽培をしやすい条件であること、そして私たちの栽培するお米がほしいと思ってくれる消費者がいることです。また、農薬を散布するのがいやなこと(自分の健康のためにも)、そして、無農薬に挑戦したいと思うことも理由です。
しかし、決して日本全国に広がる栽培法ではありません。私たちのような取り組みは全国的にもかなりの方々が行っていると思いますが、たぶん同じ理由だと思います。
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