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南砂東小学校の5年生(1998.11.17)
- Q1 私達は苦労して、無農薬でお米を育てたのですが、せっかくがんばって作ったのに私達のお米の値段を石川の学校に送り調べてもらうと、なんと、たった1kg250円(2等級の下)でした。それに対して農薬を使った鳥取の学校のお米は1等級で1s450円でした。お店で無農薬米を買うと高いのに、私達が作った無農薬米は、なぜ安いのでしょうか?どうも納得がいきません。お米の値段(特に無農薬米)はどう
やってつけているんですか?
- A
- 一般にお米の値段は、国の法律(新食糧法)に従って、決まります。普通の米作農家は、生産したお米は、農協へ売ります。農協が買う価格は地方や品種によりますが、毎年、決められています。有機無農薬米もせっかく作っても普通に農協へ出荷したのではなかなか高く売れません。
どうしたら良いのでしょうか。
それは、農家が自ら、生産費にみ見合うだけの価格で販売する方策を見つけることだと思います。確かに有機無農薬米を栽培することは大変な苦労がありますが、栽培することよりも売ることの方がもっと難しいのです。自分が作った有機無農薬米の価値を理解してもらえる消費者や小売店等を農家が自分の力で見つけなければなりません。ただ苦労して作っても売る努力をしないとだめです。
今までの農家は食糧管理法という法律の中で、米を勝手に販売することは禁じられており、自分で米を売るということはほとんどしたことがなかったのです。私たち籾村セーフティーライス倶楽部の栽培する有機無農薬米の値段は、私たちで決めました。それは、普通の栽培方と比べて、どれくらい費用が多くかかるか、どれくらい収穫量が減るかを考えて、採算の合う線で価格を決めています。
あとは、自分たちの有機無農薬米をPRして、本当に有機無農薬米の価値を理解してくれる消費者を一生懸命さがしているのです。
- Q2 私達は、お米作りは環境破壊だと考えています。その意見をほかの学校に言ってみました。そしたら、「人が生きるためには、しょうがない。」と言われました。でも、
私達は、やっぱり環境破壊だと思います。
- <理由その1 農薬で生き物を殺すから>農薬は、生き物を殺すための薬。だから、ドジョウやタニシなどの生き物までが死んでしまう。それに、農薬はよう水路を流れ、川にたどり着く。そして、そこにいる魚
が害を受け死んでしまう。それを食べた人間にも・・・
- <理由その2 もともとあった自然を人間の都合で変えてしまったから
田んぼは、山をけずり、自然を壊してまで、作ったから環境破壊だ。
人間の都合のいい作物しか育てていないから、自然を変えてしまっている。
- A
- 私も、お米作りは環境破壊だと思います。田舎の田畑を見て『自然だ』と思う人は間違っています。
しかし、それは仕方ないことです。そもそも、高度な智恵を持った人間の存在自体が自然の生態系に合わない存在なのです。人類の存在自体が環境破壊の根元です。
でも、そう言ってしまえばみもふたもありません。私たちが人間である以上、自分たち人間を否定したのでは未来はありません。
人類の歴史が始まって以来、食糧不足は常にありました。それが歴史の中で行われてきた様々な戦争の大きな原因でした。いまは飽食の時代で、私自身もl食糧危機が実感出来ない人間になっています。
さて、それではどうしたら良いのでしょうか。人間を否定しないのなら農業を否定することは出来ません。人間には知恵があります。ですから、持続的に、地球環境を守るような、農業生産の循環を創造することが一番だと思います。それは、食糧不足が常にあった江戸時代に行われていた有機無農薬栽培に戻るものではありません。それに戻ってしまうと食糧危機になってしまいます。
自然生態系に影響が少なく、また、田んぼの中で独自の生態系を創造するような農業生産の方法を考える必要があります。その技術の中に『農薬』が存在していてもかまわないと思います。
たとえば生物農薬(天敵)を使った防除法
トマトのオンシツコナジラミという害虫にオンシツツヤコバチという蜂が効果がある。
ある種のカメムシは蛾や蝶の幼虫の体液を吸い取る。・・・・・
害虫を寄りつきにくくする方法
黄色い蛍光灯があると蛾の幼虫が寄りつかない
害虫がいやがる色がある。等等、化学合成農薬ではなく、環境にやさしい農薬も開発されつつあります。
しかし、それはまだまだ完全なものではありません。
人間の存在を否定しないのなら、今日の化学合成農薬にもう少しの間、頼りつつ、徐々に環境にやさしい農業を創造する方向が現実的には正しいのかなと思います。
- Q3 私達は減反のことを考えました。交流学習の相手の人たちに、お米は体にいい無農薬で育てた方がいいんじゃない?と、きいても、お米のとれる量が減ってしまうからだ
めだと言っていました 。でも結局は農薬を使って効率よくお米を作りすぎて、あまったから減反しようということですよね。それでこんな事がいつまでもつづいてゆくと、体に悪い農薬を使ってたくさんお米を作ってその分減反するという最悪なことになると思います。農薬を使ってお米を作りすぎて田んぼを減らすより、農薬を使わず田んぼを減らさないようにするのがこれから先のことを考えると、もっといいと考
えましたが、も村セーフティークラブのみなさんはどう考えますか?
- A
- 確かに、みんなが無農薬で米を作ると、米の生産量は減少します。しかし、生産量は大変不安定なものになります。現実に平成5年以上の米騒動が頻繁におきるようになると思います。
減反は、田んぼを荒らさず守りつつ(潜在的な食糧自給力を維持しつつ)、米の価格安定のため、是非とも必要な施策です。農家と国民を守るためには仕方ない方策です。
農家も米をたくさん収穫しないと生活が成り立ちません、ですから、今の状況はどうしようもないと思います。
ただ、今は米がたまたま余っていますが、人類の歴史上米が余った時代は極々稀な状況であることは良く認識して下さい。農村では若者がどんどん減っています。また、都市部では田んぼが宅地になり、山村では耕作者が無くなった田んぼがどんどん荒廃しています。近い将来、米不足はたぶんやって来ると思います。ですから、ある程度安全性の高い化学肥料や農薬も必要最小限使用し、米作りをし。また、減反政策も実施して、農業、農家を守って行かないと、みんな飢えてしまうんじゃあないでしょうか。
- Q4 生産者と消費者の関係は、いつまでたっても悪循環の気がします。そこで私達は環境
税の導入を提案します。 お米でいうと、 消費者は無農薬のものを欲しいのだけれど、高いから買えない。
生産者は無農薬で作るのは大変な手間ひまがかかる。
だから、環境税を導入して、消費者、生産者のために補助をしてあげるのです。
消費税は何に使われているかわからないけど、環境税なら納得がいきます。
いい方法だと思うのですが、なぜ導入しないのか疑問なのです。11/19日に私達の学校に大臣や、国会議員さんが来るので、質問したいと思いま
す。籾村セーフティーライス倶楽部のみなさんはどう思いますか?また、何かいい方法は他にありますか?
- A
- 無農薬で生産することに国が補助金を出すということは、日本中の田んぼが無農薬になるように、国全体で進めることです。
しかし、残念ながら、それは日本の農業の破滅への道だと思います。残念ながら、まだまだ、無農薬で安定的な収穫量を確保する技術は完成していません。食糧不足がおきるだけだと思います。確かに、無農薬栽培は良いことです。少しでも環境に優しく、未来にわたって私たちに持続的に食糧を供給してくれる方法だと思います。
私たちの生存する地球の環境を保全し、未来にわたって人類が繁栄するために、『環境税』を導入することには、私も大賛成です。その税を直接生産者消費者に出すのではなく、もっと安定的に、安く無農薬農産物が栽培出来るように、する技術開発のために使うのが正しいと思います。
昨今、国も都道府県も財政不足の中ですが、農業試験場や、農業改良普及センター等の新しい農業技術を開発普及する機関をもっと充実させて、環境に優しい農業を確立する必用があると思います。
長々ととりとめのないお返事になってしまいまして申し訳ありません。私の3人の子供のいちばん上が実は皆さんと同じ小学校5年生です。私の住んでる
所は交通の不便な辺境地で、高齢化指数が46%(2人に1人は65歳以上の老人)の集落なんです。実は、私は集落の中で米作りをしている一番若い人間なのです(37才)。
若者はどんどん都市へ出て行き、田んぼも耕作放棄されている所が増えて来ました。米作りは一人では出来ません、集落共同でないと出来ないことがたくさんあります。現実的にこれからますます人が減ってきたら、私たち籾村セーフティーライス倶楽部も米作りを続けることが出来なくなる日もくるかもしれません。残念ですが。
ですが、私は代々農家の生まれで、先祖が代々耕作した田畑、そして何のために米作りをしているのか、米作りの何が楽しいのかは、確実に子供たちに教えているつもりですし、また、私の子供たちも理解しつつあると思います。
皆さんも、機会があったら、是非農村に住んで、米作りの何が楽しいのかを体感していただきたいと思います。たとえば半年間の農村留学とかA農繁期のファームステイとか・・・私たちの地域のような、辺境地にきて田んぼを見るだけでも少しはわかると思います。
ますます、食糧が人間に果たす役割が理解できると思います。
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