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稲作地の農閑期の利用について(1998.5.11)
- Q1.まず稲作の農閑期に蕎麦の栽培というのは本当に可能なものなのでしょうか?
- ソバは、春ソバと秋ソバがあって、春ソバが5月中旬播種、7月下旬収穫で、秋ソバは8月中旬播種、10月中旬収穫です。秋ソバの方が主流です。稲作は普通、5〜6月田植え、9〜10月収穫です。
稲作の農閑期をどう解釈するかによりますが、栽培期間としては競合します。ただ、ソバは栽培労力がそんなにかかりません。病害虫も少なく、栽培は容易です。栽培期間も短く他作物との輪作が良いと思います(例:ジャガイモを収穫して、その跡にソバを播く)
要するに、ある程度労働、土地は競合しますが、労力がかからないので、稲作と同時進行で栽培出来ます。
- Q2.もし、可能だとした場合、稲作同様にクオリティの高い蕎麦の生産は可能でしょうか?
- ソバの原産地は中国らしいですが、我が国でも昔から栽培されており、続日本紀にも記載されており、日本の文化になっています。今は、ソバは日本産のものは少なく、中国などからの輸入品が多いようですが、高品質なものは日本でも栽培可能です。四国の祖谷地方、信州等有名な産地もあります。
ただ、ソバは面積当たりの収益性が低いです。稲では10アール(300坪)当たり、祖収入(費用を差し引かない、売り上げ金額)は12万円くらいですが、ソバは3万円くらいにしかなりません。
10アール当たり100キロの収穫量で、単価は約300円くらいです。もっともこれは、雑穀商なんかに売る場合で、自分で、加工し、販路を開拓するとそれ以上のものにはなります。
ただ、ソバは、米のように毎日食べるものではありません。有利販売の方策は、いろいろと工夫する必要があります。
- Q3.そして、それも可能だとした場合、どのくらいの契約量があれば蕎麦の契約栽培がビジネスとして成り立つでしょうか?
- これは難しい!
ソバの栽培だけではビジネスでは成り立たないでしょう。今日本の主食の米でも、ビジネスで成り立っている人はほんの一握りで、みんな兼業農家や老人が生き甲斐と、農耕民族の血と、先祖代々の土地を守るため、やっと赤字経営でもつくっている状態なんです。(私たちも米では生活は出来ないと思います)
経営的にみて、10アール当たり、100キロ収穫して、単価をいくらがんばっても500円として、売り上げは5万円です。そのうちコストを差し引いて儲けは半分でしょう。従って100万円儲けるには、4ヘクタールも栽培しなければなりません。これは栽培不可能な数字です。ましてや、定年退職者では出来ないでしょう。要するに、栽培だけではビジネスにはならないとと思います。
と言ってしまえば身も蓋もありません。
ソバは、美味しいし、日本の文化でもあります。考え方を変えて、今は多品目少量生産の時代です。定年退職者といっても、農業でそこそこの生活費を稼ぐ必要があるんでしょう。ソバの栽培だけではだめと言うことです。ソバにこだわるなら、生産、加工、販売の一貫体制をとり、自分の生産物により付加価値をつけること。消費者との顔の見える関係を創り上げることでしょう。また、ソバ以外の農産物の生産、加工、販売もいいでしょう。(こだわった野菜、米、卵、うどん、パン・・・)要するにこれからの農業は、第一次産業では生きていけません。生産(第一次産業)、加工(第二次産業)、販売(第三次産業)、消費者との信頼関係(第四時産業)を加えた第十次産業なのです。
いろいろ偉そうなことを書いてしまいましたが、私たちも、有機無農薬栽培米の生産を通じてつくづく思っていることですが、私たちの生産物を食べて下さっている消費者が誰かわかること。また消費者から見ても、生産者が誰かわかること。これが一番楽しいことです。「あの人が食べる米を作っているんだ」「あの人が作った米を食べているんだ」この信頼関係が一番です。それが農業を楽しくやりがいのあるものにすると思います。
私たち田舎の人間たちにとって、一番の問題は、都市部の消費者をいかに開拓するかです。いろいろと広告を出したりしましたが、新規開拓は未だ困難です。しかし、今までの活動の中で、私たちから離れていった消費者は一人もいません。地道ですが信頼関係はできているようです。
ソバの栽培加工の文献で今まで見たものをご紹介します
「ソバのつくり方」 菅原金次郎 農山漁村文化協会 900円
「健康食そば」 那須 農山漁村文化協会 1000円
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