TOPもむらいすが出来るまで>生産費

お米(もむらいす)の生産費


ちょっと専門的になってしまいますが、一体「もむらいす」を生産するのにどれくらい生産費用がかかるのでしょう?
とのご質問にお答えします。また、私たちはもむらいすでどれくらいもうかっている(損している?)のかご紹介致します。下の表をご覧下さい。

岡山県平均 もむらいす(無農薬)の場合 もむらいす(低農薬)の場合
単位 10a(300坪)
当たり
玄米10s
当たり
10a(300坪)
当たり
玄米10s
当たり
10a(300坪)
当たり
玄米10s
当たり
説明




種苗費 2,438 47 407 10 407 8 種籾代
肥料費 10,794 209 3,654 93 4,848 101 化学肥料、堆肥、菜種かす
農薬費 11,466 222 0 0 8,420 175 除草剤、殺虫剤、木酢液
動力光熱費 2,542 49 7,268 186 7,268 151 電気代、農機具の燃料代
諸材料費 3,124 61 20,989 538 20,789 433 くわ、かま、袋、等
水利費 2,662 52 7,846 201 7,846 163 用水路などの維持費
賃借料・料金 12,616 245 0 0 0 0 農作業の委託費(乾燥調整が主)
租税公課 1,959 38 4,006 103 4,006 83 農機具の税金、土地の税金など
農機具・建物費 29,774 577 86,024 2,206 86,024 1,792 機械、建物の購入代金
修理費 10,681 207 8,245 211 8,245 171 機械、建物の修理代金
生産管理費 60 1 24,867 638 24,867 518 紙、えんぴつ、研修費、販売宣伝費
雇用労賃 5,119 99 0 0 0 0
支払利息 305 6 0 0 0 0 借入金の利息
支払地代 2,016 39 0 0 0 0 土地を借り入れた場合の借入代金
農業経営費合計 95,556 1,852 163,306 4,187 172,720 3,598

家族労働費 63,284 1,226 151,760 3,891 120,960 2,520 家族の労働費を見積もった金額
自己資本利子 10,750 208 12,000 308 12,000 250 自分の資本の利子の見積額
自作地地代 16,738 324 15,000 385 15,000 312 自分の土地の代金の見積額
農業生産費合計 186,328 3,611 342,066 8,771 320,680 6,681
粗収入 142,278 2,757 253,500 6,500 240,000 5,000 お米の売り上げ金額
農業所得 46,722 905 90,194 2,312 67,280 1,401 直接農家に入ってくるもうけ
純利益 -44,050 -854 -88,566 -2,271 -80,680 -1,681 企業としてみたもうけ
労働時間 時間 44.9 0.9 108.4 2.8 86.4 1.8
労働1時間当たり所得 1,040 832 778
10a当たり収量 s 516 390 480
米単価 275 650 500

※非常に専門的な難しい言葉ができきていますね。ごめんなさい。以下になるべくわかりやすく説明いたします。

農業経営費
農業経営費とは、実際に農家が金銭を支払って買った費用の金額です。自分の労賃や自分の資本利子、地代は含まれません。
種苗費
種苗費は、種籾代ですが、もむらいすの場合は、種子更新は数年に一度で、自家採取を基本としているため、種苗費は少なくなっています。
肥料費
もむらいすの場合は山野草堆肥を中心とした、土づくりを徹底しています。もちろん有機無農薬では化学肥料を使用しませんので肥料費は少なくなっています。無農薬では、菜種粕、オール有機653といった有機質資材を肥料として使用します。
低農薬の場合では、チッソ成分を2s以下で化学肥料を使用しているので、無農薬の場合より少し肥料代がかかっています。
農薬費
有機無農薬では、農薬を使用しませんから、当然、農薬費はゼロです。低農薬の場合は、田植前の苗の時点で1回消毒をするのと、除草剤を1回使用しますので、農薬代がかかりますが、通常の栽培よりも当然農薬費は安くなります。
動力光熱
動力光熱費は通常の場合より、高くなっています。その理由として、もむらいすは稲の刈り取り後に、一般の農家は農協等の共同乾燥施設(カントリーエレベーター等)で乾燥調製する場合が多いのですが、非有機米の混入を防ぐため自分で乾燥調製しています。このため、電気代、油代が多くかかります。また、籾村固有の問題ですが、籾村は山の上で水に乏しいため、水溜の頃は、エンジンポンプで水をかいあげることが多く、このための電気代、軽油代も無視できません。
諸材料費
鍬、鎌、袋などの諸材料に加え、無農薬栽培では、耕種的防除での液体マルチ代などがかかります。また、田んぼののり面の草刈のための、草刈機の刃、それを研磨するヤスリ等平地ではかからない費用もかかり、通常より高くなっています。
水利費
籾村では、基本的に田んぼの水利は溜池です。溜池の水は、地域の田んぼ全体に公平に配分することが必要で、「水番」制度をとっています。また、籾村の溜池水路は非常に長く複雑でそれらの維持管理に多くの経費がかかり、水利費は高くなります。
賃借料・料金
賃借料・料金は農作業の委託費などです。一般的には動力光熱費のところで説明したように農協のカントリーエレベーターの利用料等ですが、もむらいすは他の米の混入を防ぐため、育苗から乾燥調製して米になるまでの一環の作業を個々で行っているのでこの費用は発生しません。
租税公課
農機具や田んぼの固定資産税、各種負担金等です。
農機具・建物費
実は、この費用は私たちが、まだまだ経営努力して低減していかなくてはならない費用です。ちょっと多くかかりすぎています。しかし、先ほど述べたように、種まきから、白米になるまでの稲作の全行程を完結しているため、一般の農家よりも多くの機械施設が必要になります。また、籾村の田んぼの立地上、水揚げポンプ、草刈機など、一般農家にはあまり必要ない機械も必要になります。
修理費
農機具、施設の修理費です。
生産管理費
これは、栽培した米の販売宣伝費や、事務費、電話代等です。一般の農家では、お米の宣伝・販売に経費をほとんどかけていませんが、私たちは、このホームページなどでもむらいすのPRを行っています。
雇用労賃
雇用労働費ですが、私たちは、自分の稲作作業は全て自分たちで完結して行うので費用はなしです。
支払い利息
農機具なんかを借金して買った場合の利息です。幸いにも、今のところ、借金なしでやっています。
ただし、農外の給料からの持ち出しもかなり多くあります。
支払い地代
田んぼを借りて作った場合の借地料です。私の場合は自分の田んぼだけなのでゼロです。
農業生産費
以上が農業経営費ですが、これに、自分の労賃、自作地の地代、自己資本利子を加えたらものが、農業生産費です。コストとは農業生産費のことです。
家族労働費
私の家の家族の労働費を見積もった金額です。岡山県の平均値にあわせて、時間給1400円で見積もってみました。岡山県の平均より、ものすごく高いですね。それは、労働時間が非常に多くかかるからです。有機無農薬の場合では、約2.4倍ですね。(108.4時間÷44.9時間=2.4倍)
自己資本利子
農業の投資している自己資本(自己資本=資産合計−負債)の額に、利子をかけた金額です。わかりにくいかもしれませんが、自分の資本をもしも、自家農業に投資せず、銀行に預けていたらどれくらい利息がつくかな?といったものです。
自作地地代
自己資本利子と同じような考え方で、もし、自分の土地を地域の標準的な小作料で他の人に貸していたらどれくらいの地代が入るかな?といったものです。
粗収入
粗収入は、字の如く、米の生産量に単価をかけた売上げです。
有機無農薬の場合の10a当たり粗収入は 390s(10a当たり収量)×650円(1s当たり玄米単価)=23,5000です。
単位面積当たり(10a当たり)粗収入は普通の米より多く、約1.8倍位になっています。(25,3500÷14,2278=1.8倍
米の価格
有機無農薬米は販売単価が高い。(普通の米の650÷275=2.5倍位)これは、精米して製品にまでする経費がかかることもこの一因です。
収穫量
収穫量は、通常の栽培に比べてやや低く、有機無農薬栽培で通常の4分の3くらいです (516s÷390s=0.75)
農業所得
農業所得とは、粗収入から農業経営費を差し引いたものです。これは、農家の手元に残り、生活費などに仕向けることができる金額です。もむらいすの場合、農業経営費が多い分よりも、売上げが多い分の方が多いので、農業所得は多い。有機無農薬の場合で約2倍です(90,194円÷46,722円=1.9倍)
しかし、大切なことは、労働時間が非常に多くかかることです。有機無農薬の場合、約2.5倍かかります。(108.4時間÷44.9時間=2.4倍)
純利益
純利益とは粗収入から農業生産費を差し引いたものです。言い換えれば、農業所得から家族労働費、自己資本利子、自作地地代を差し引いたものです。
仮に、自分の1時間当たりの労賃を1,400円と見積もり、自己資本利子、自作地地代評価額を参入すると、もうけはマイナスです
もうけがマイナスなのは、普通栽培でも、有機無農薬でも、同じですが、有機無農薬の方が、マイナスが大きいのです。
一見、粗収入から農業経営費を差し引いた農業所得は、有機無農薬の方が、多いのですが、労働時間が、有機無農薬の方が、たくさんかかります。
ですから、労働1時間当たりの所得(農業所得÷労働時間)は有機無農薬の方が少ないです。
たったの、832円です。
さて、みんなのお父さんは、1年間に何時間働いて、どれくらい給料をもらっているかな?
たぶん、1時間当たりの所得は、サラリーマンの方が多いと思います。
有機無農薬米は、確かに、高い米です。そして、農家の見かけの所得も普通栽培米に比べて多いです。
でも、とても労働時間がかかります。手間暇をかけて、自分の労賃は度外視して、心を込めて栽培したお米なんです。
だから、どの農家も取り組めるものではありません。また、いくら所得が多いといってもたくさん作れるものでもありません。
本当は、損かもしれませんが、私たちは、消費者の方に喜んでもらえるから作っているのです。

前へ戻る

BACK