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種籾・育苗土の準備

4月中旬から、種籾の準備を始めます。種籾の準備のポイントはとにかく良い種だけを選ぶことです。良い苗を作るために良い種を選ぶわけです。


ここでは、種籾、育苗土を準備して、種まきの用意をするまでの工程をご紹介致します。

作業名 作業内容 使う道具や材料
採種 有機無農薬栽培用の種子は稲刈り時に、有機無農薬栽培のほ場の中で、病害虫被害がなく、よく登熟した部分を分けて稲刈り、脱穀します。脱穀はややコンバインのこぎ胴の回転を落とし、コンバインもゆっくり前進させ、なるべく種子を痛めないように注意を払います。脱穀した種子は、乾燥機を使わず天日乾燥して水分15%位にしておきます。 コンバイン
ムシロ
種籾保管 採種した種籾は、紙袋に入れて、ネズミの被害が出ない納屋の高いところに保管します。種籾は10アール当たり4s程度準備しておきます。 紙袋
脚立
唐箕選  昨年春まで保管しておいた種籾から、未熟なものを除去するため、唐箕で風選します。
 唐箕は、左写真のように、機械の上から籾を少しづつ自然落下させ、落下する途中で風を送り、未熟な籾をとばす機械です。右写真のように、しいな(実がほとんど入っていない籾)は機械から外へ飛んでいきます。(機械から左方向へ飛んでいるのが見えると思います)。また、機械の下に、バケツを2個受けていますが、右側のバケツが1番といって、一番重たい籾(よく充実した籾)がたまります。左側のバケツには風でやや左方向にとばされた少し充実が悪い籾が2番としてたまる構造になっています。
 風は、写真のように、手の動力で風車を回して送りますが、風が強すぎると、2番に多くの籾が出るし、風が弱いと1番に充実した籾だけがたまりません。また、上から落下する籾の量も、少なすぎると2番が多く出るし、能率も悪い。しかし多すぎると、1番に充実てない籾が入ります。ちょうど良いも実だけが、能率的に1番口に出るように、風の量、籾の落下量の調整が必要で、なかなかこの作業には熟練を要します。
唐箕
バケツ
脱芒 唐箕にかけた籾は今度は、脱芒(だつぼう)します。
 籾にはその先端に、「芒(ぼう)」と呼ばれる「とげ」や、籾が穂とつながっている「枝梗(しこう)」というじくの部分がありますが(右写真)、コンバインの脱穀作業で落ちていない場合があります。これらがたくさんあると、播種作業の時に播種機にひっかかって均一に播種ができないので、ここで除去しておきます。
 コシヒカリの場合はこの芒はまれにしか無いのですが、コシヒカリは、脱粒性が難(枝梗から籾がとれにくい)の品種なので、籾にこの枝梗がついている場合が多いので、ていねいに脱芒作業を行います。
 ちなみにこの脱芒機は、漏斗の底に羽が付いていてそれが回転して、籾同士をすりあわせることによって、芒や枝梗をとるようになっています。これはほとんど「餅つき機」のような構造で、実はこの脱芒機は「味噌くり機」でもあります。味噌くり機とは、味噌を造る工程で、煮た大豆と米麹をつぶして混ぜる作業です。意外なところで1台2役の機械のなのです。
脱芒機
バケツ
塩水選
食塩水を作ります 卵を使って比重を確認 浮いた籾をすくいます
これまで、唐箕選で選別した籾は、更に食塩水で比重選して、より厳しく充実したも籾を選別します。
塩水選とは、稲の種籾を塩水(水より比重が重い)につけて、浮いた籾をのぞいて、重いよく充実した種子を選別する作業です。有機無農薬栽培の場合、特に無病の元気な種籾を選別するのに欠かせない作業です。普通より特に塩水は濃いめにしていい種籾を選びます。
作業の手順は
  1. 左上の写真のように、水10リットルに、2.3sの食塩を溶かします。これで比重が1.16くらになります。
  1. 比重は卵の浮き具合で確認します。卵が写真のように、お尻が500円玉以上に浮いていると良いです。
  1. この塩水に籾を入れて、浮いた籾を網ですくい取ります。たくさん浮きますが容赦なく浮いた籾は取り除きます。
ポリバケツ
あみ
食塩

種子水洗 塩水選して、塩水に浮かず、無事、種として合格した籾は、この塩水選時の塩をとるため、水で丁寧に洗います。
 ところで、今まで、秋の採種から、ひつこいくらい、充実した種籾の選別にこだわってきましたが、なぜそんなに種子選別にこだわるのでしょうか?
 それは良い苗を作るためです。稲でも野菜でも「苗半作」といわれているように良い苗を作ることは非常に大切なことです。
では良い苗とはどんな苗でしょうか?
 1に無病であること、2に元気な苗であること、そして3によくそろった苗であることです。これらの条件を満たせば、田植えした後の生育がそろって良くなるということで、管理しやすく、病気にかかりにくい稲を栽培することができるわけです。
バケツ
蓮口
種子消毒 無農薬の場合は、温湯浸法で種子消毒しますこれは、塩水選の前に行います。乾燥籾を56〜57℃の温湯に10分くらい浸漬し、その後に、水で冷却します。
減農薬栽培場合はここで薬剤を使って種子消毒を行います。スミチオン乳剤1000倍、ヘルシードTフロアブル剤200倍液に24時間浸漬します。
バケツ
温度計
計量器
漬け物樽
種子漬浸 種子消毒、塩水選が終わった籾は、今度は水につけます。十分吸水させて、発芽がよくそろうようにします。
漬浸水交換 種籾も呼吸をするので、浸漬水は時々交換して、中に酸素を入れて、均一な発芽を目指します。
種子の浸漬時間は積算温度約100度といわれています。この頃の平均気温を15℃くらいと想定して、約1週間浸漬を行います。
漬け物樽
催芽
かわいい芽が出ています。(実はこれは根です)
催芽が完了した籾
水に浸漬して十分吸水して、発芽の準備ができた籾は、播種日の前日から、温湯に漬けて、一気に発芽させいます。これを「催芽」といいます。
温湯につけるといっても、一晩漬けるので、わが家では、お風呂につけます。風呂に家族が入った残り湯を少し加温して、40℃くらいの水温にします。種籾はネットの袋に入れて、お湯に浸しますが、時々お湯からあげてやり、酸素を供給します。
催芽作業の最終目的は、均一は発芽をさせることです。このことにより、均一な良い苗を作る第一歩になります。
お風呂
温度計
  
育苗土の準備
 苗作りに使う育苗土も、無農薬の場合は無農薬栽培のほ場の田んぼの土を使います。最近は育苗土は肥料が入っていて殺菌された購入土を使う場合が多いですが、わが家では自家製育苗土にこだわっています。
 ほ場の土を回転土ふるい機にかけて、細かい土を採取します。細かい土といっても、冬期間に寒さにあたって団粒化した、通気性、保水性に富む土です。
 ふるいにかける土は、一輪車の上の船に受けて集めます。
 そしてこれを肥料袋に入れて、運搬車に積んで作業場まで運びます。
 10アール当たり、肥料袋2袋分の土を準備します。1つの袋が30sくらいになり、結構な重さです。
 やはりこんな作業は大人数でする方が楽で、家族総出で作業を行います。
スコップで表土を取ってふるいにかけます 細かい土がふるいから落ちてきます
細かい土を肥料袋に詰めます 運搬車に積んで運びます
土ふるい機
一輪車
スコップ
肥料袋
運搬車
子供たち
 
これで、充実した発芽籾と育苗土が確保できました。今度は種まき作業を行います。 播種作業へ

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